セントラルヒーティングの仕組みと設置費用。デメリットと節約できる使い方

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暖房の1つに
セントラルヒーティングと言うものがあります。

日本ではまだまだ馴染みの薄い方法ですが、
このセントラルヒーティングについて、
仕組みや設置費用、
デメリットなどについて紹介したいと思います。

まさに知る人ぞ知る方法で、
セントラルヒーティングにハマると、
すっかり抜け出せなくなります(笑)

ただし、
良いことばかりではないので、
導入の際はデメリットも見定めたいですね。

また、
セントラルヒーティングを行う上で、
節約出来る方法というのも、
併せて紹介してみますので、お得に使ってみて下さい。

セントラルヒーティングの仕組み

セントラルヒーティングと聞いても、

それって一体・・・?

という人も多いはずです。

それもそのはずで、
主に海外で主流の暖房方法であり、

日本では
北海道などの寒冷地で採用されている傾向がある方法のためです。

では、
このセントラルヒーティングというのがどういうものなのか
というと、

各部屋を個別に温める方式ではなくて、

それぞれの部屋を一度に温めてしまうという方法

になります。

具体的には、
熱源として石油や電気、ガスなどのボイラーを一か所に設けて、
そこで温水を作成し、それを各々の部屋に送ります。

各々の部屋には、
パネルヒーターが設置してあり、
そこに温水が流れることによって部屋が暖められる
という方法になります。

これで、
各部屋を一度に温めることが出来るために
非常に効率的な暖房方法と言えます。

最近では、
電気で温水を作成することが主流となっており、
省エネ効果が高いボイラーを使うことによって、
電気代を抑えることが出来るようになっています。

基本的に
セントラルヒーティングの使い方としては、
24時間暖房を入れておき、
スイッチを切るということはありません。

日本で主流の暖房方式を考えれば、
これも馴染みの薄いことではありますが、

セントラルヒーティングは、
短期間で一気に温めるということが苦手であるため、
一度、室温が下がってしまうと
温めるまでに時間がかかり、効率も悪くなってしまうのです。

このような形で
暖房効果が得られるセントラルヒーティングですが、

細かく見ていくと、
温水ではなく温風で部屋を温める方式なども存在します。

ストーブのように直接的に火を使わないことから、
不完全燃焼による事故や、
火傷などのリスクも低く、
安全・安心の暖房方式とも言われています。

 

セントラルヒーティングの設置と費用

個別に部屋を温めることが出来るストーブやエアコンといった機器の場合、
それぞれの部屋で設置工事を行うことになり、
それほど大きな費用はかかりません。

しかし、
セントラルヒーティングを設置するとなれば、

温めたい部屋全てに温水を流すための配管や
パネルヒーターなどを設置する必要があり、
それなりに大きな工事が必要となります。

セントラルヒーティングを設置したい建物にもよりますが、
設置工事にかかる費用としては、
100万円以上かかることもあります。

特にリフォームとして後付する場合、
床材を剥がしての工事など、
手間がかかる工事になればなるほど、
費用が膨らんでいくことになります。

また、
セントラルヒーティングは、
設置後、使っていくうちに、
定期的なメンテナンスも必要となりますので、
そこでも費用がかかります。

最も頻繁に行う必要があるのは、
不凍液の交換作業になります。

どうしても
使っているうちに劣化してくることになるため、
定期的に不凍液をすべて抜き出し、
配管内を洗浄、新しい不凍液を入れることになります。

この工事には、
おおよそ1日程度の時間を必要とし、

費用としては、
およそ3万円程度かかることになります。

次にセントラルヒーティングの熱を
一手に引き受けているボイラーのメンテナンスも、
必要な工事となります。

こちらも長く使っていくうちに
様々なところにガタが来るため、
定期的にメンテナンスを行い、
洗浄や部品の交換等が必須作業です。

整備のみであれば、
およそ1日程度の作業で、
費用はこちらも3万円程度となっています。

この2つはセントラルヒーティングを行う上で、
定期的に行わなければならない工事となってきます。

 

さらに
各部屋を温めるためのパネルが破損した場合は、
この交換工事も必要です。

物によりけりではありますが、
およそ10万円程度となっていますので、
こちらは出来るだけ破損等はないように使っていきたいものです。

 

セントラルヒーティングを使う上では、
こういった費用がかかることになります。

メンテナンス等については、
長く使うために必要なものとなりますので、
最低限、必要な費用だと考えるべきでしょう。

 

セントラルヒーティングのデメリット

熱源を一か所に
建物全体を温めることが出来るセントラルヒーティングですが、

そこには様々なデメリットも存在しています。

では、一体、
どういったところにデメリットがあるのでしょうか?

それぞれご紹介します。

~デメリット~

①:初期費用の高さ

セントラルヒーティングにおける最大のデメリットともいえるのが、
やはり初期費用の高さということになります。

ボイラーやパネル、道中の配管等を構築する必要があるため、
どうしても100万円単位の費用が必要となってきます。

そのため、
導入にあたっては、初期費用の高さから、
断念してしまうというケースも少なくありません。

 

②:メンテナンスが必要

ボイラーの定期メンテナンスや不凍液の交換など、
セントラルヒーティングを維持するためには、
それなりの手間がかかります。

もちろん
これに伴って費用もかかることになりますので、
こちらの費用というのも、決してバカには出来ません。

快適である一方、
こういったメンテナンスをしっかりと行わないと、
設備が傷む原因となってしまいます。

しかし、
エアコンやストーブといった機器では、
ここまで大がかりなメンテナンス等は実施しませんので、
やはりデメリットだと考えられずにはいられないでしょう。

 

③:温まるまで時間を要する

ストーブやエアコンといった機器では、
付けてから少しの時間で部屋が暖かくなってきます。

そのため、
それほど寒い思いをしなくても良いのですが、

セントラルヒーティングでは
なかなかそうはいかず、
どうしても温めるのに時間がかかってしまう
ということになります。

基本的に「つけっぱなし」の使い方をするため、
あまりこういったシーンは少ないかもしれませんが、
セントラルヒーティングにおけるデメリットの1つになります。

空気を送りこむ設備であるため、
どうしても仕方がない部分ではあるのです。

 

④:温かさに差がある

これは個人によって感じるデメリットではありますが、
特にストーブと比べると、
どうしても温かさの質が違ってきます。

ストーブのような遠赤外線の効果で暖をとってきた人にしてみると、
セントラルヒーティングはイマイチと感じられることがあります。

確かに熱源がその場にあるわけではないので、
何となく寒い気が・・・
という方も決していないわけではありません。

 

⑤:家に気密性を求められる

空気によって部屋を温めていくセントラルヒーティングですが、
条件として「家の気密が保たれている」ということは非常に重要です。

じんわりと温め、
それをキープしていくという使い方であるため、
気密性が悪く、外から冷気が入ってきてしまうようだと、
暖房効果が薄れてしまうのです。

そのため、
通常のエアコンやストーブ以上に気密性が大切で、
加えて断熱性にも優れた家だと暖房効果を発揮しやすいです。

窓のサッシなどもアルミ製ではなく、違うタイプにするなど、
細部にまでこだわると良いかと思います。

このように
セントラルテーヒィングには、様々なデメリットがあります。

これらのデメリットを理解していないと、
導入した後に思わぬ落とし穴に陥ることになってしまいます。

ちなみに、
メリットとしてどういうものがあるかというと、
次のようなものがあります。

 

~メリット~

①:安全性が高い

暖房器具と言っても様々ありますが、
ストーブなどは、熱源がそこにあるため、
どうしても火傷の危険性を伴います。

セントラルヒーティングであれば、
こういった心配はまったくなく、
安全に使用することが出来ます。

パネルに触れたとしても
火傷するほどの熱さではないので、
小さいお子さんがいる家庭でも問題ないでしょう。

また、
ストーブにありがちな一酸化炭素や二酸化炭素の発生という点でも、
セントラルヒーティングには心配がありません。

 

②:空気の乾燥がない

安全という点でいえば、
エアコンも安全な暖房器具ではありますが、

エアコンを使用していて悩まされるのが
空気の乾燥」という点になります。

冬場は特に「エアコンによる乾燥が気になる」
というご家庭も多いと思いますが、
セントラルヒーティングであれば、乾燥も気になりません。

ホコリを舞い上がらせたりということもありません。

 

③:自分で行うメンテナンスが楽チン

セントラルヒーティングのデメリットでは、
定期点検などのメンテナンスについて紹介しましたが、

これらはどれも業者さんにお願いするものばかりです。

その代わりとして、
自分で行うメンテナンスというのは、
パネルを少し掃除するなど、
非常に簡単なものしかありません。

フィルターの掃除や何かを足したりということもありませんので、
普段、使っている間では、
非常に管理が楽な設備と言えるのです。

 

④:建物全体が均一の温度になる

エアコンやストーブなどでは、
「この部屋は暖かいけど隣の部屋に入ったら寒い」
なんていうことはよくあります。

セントラルヒーティングでは、
こういったことがなく、
どの部屋に行っても同じ温度で快適に過ごすことが出来ます。

冬場にあるヒートショック現象なども、
起きにくくなっていますので、
そういう意味でも安心ですよね。

 

デメリットに対して、
セントラルヒーティングのメリットとしては、
こういったものが存在します。

やはり他の暖房機器に比べて、
快適性という点においては群を抜いているのが特徴ではないかと思います。

このデメリット・メリットをそれぞれ加味して、
導入を検討したいものですよね。

 

セントラルヒーティングの「節約方法」

何と言っても
その快適性が特徴のセントラルヒーティングですが、
やはり費用がかかるというのはネックです。

初期費用、定期のメンテナンス費用と
何かとお金がかかりますが、
毎月の電気代も決してバカにはなりません。

家庭や家の規模、設定温度によって様々ではありますが、
1か月で2~6万円もの電気代がかかることになります。

これだけの費用が毎月にかかるとなれば、
セントラルヒーティングの導入に足踏みしてしまう人も多いでしょう。

そこで大切になってくるのが、
節約方法になります。

セントラルヒーティングは、
その使い方によって、
節約効果が大きく変わってくるため、
使い方がとても大切なのです。

ここでは、
セントラルヒーティングに大切な、
基本的な使い方と節約方法について紹介していきます。

 

=使い方と節約方法=

①:基本的に常に稼働させる

セントラルヒーティングの使い方として、
基本は常に稼働させるというものがあります。

各部屋に設置してあるパネルに対して、
温水をまわすわけですが、
これを止めてしまうと、
液が滞留することになり、故障の原因となってしまいます。

部屋を使っていないからといって、
パネルへの液の供給はストップしないようにします。

設定を下げて流量をコントロールするのは良いですが、
くれぐれも止めるのだけは避けましょう。

これは夏でも同様で、
夏でもパネルには液を流しておくようにします。

夏は暖房が必要ないと思うかもしれませんが、
それであれば、
ボイラーだけ止めてあげれば良いのです。

熱源がなければ、
液を流しても部屋が温まるということはありませんので、
大きな問題ではありません。

 

②:温度は家全体で調節する

使っていない部屋は温度を下げる
などして使う方がいますが、
実はこれはあまり節約にはなりません。

節約するのであれば、
家全体で温度を調節するのがポイントです。

各部屋ごとに温度を調整してしまうと、
セントラルヒーティングのメリットがなくなるほか、
下げた部屋に入った時に寒く感じてしまいます。

また、
あまりにも室温差があると
結露など余計なトラブルの原因にもなります。

そのため、
温度は建物全体で捉え、
適正な温度に調整してあげましょう。

結果的にこれが節約にも繋がります。

 

③:昼間は思い切ってボイラーを消す

ある程度、温かくなってくると
夜は暖房が欲しいけれども、
昼間はそれほど暖房が必要ないという時期がやってきます。

こういったときにも、
液を流し続けるのが基本ですが、
ボイラーについては「切ってしまう」のが節約となります。

夜間にしっかりと温度をキープしておけば、
昼間のうちは日光の影響もあって、
室温をある程度保つことが出来ます。

 

④:ボイラー温度は低めに設定

室温を調整する際、
パネルで調整する方が手軽ではありますが、
これだとあまり省エネにはなりません。

それよりも、
ボイラー本体で
温度をある程度調整するという方が、
省エネという意味では、グッと効果的です。

そのため、
季節や気温に合せて、ボイラーを調整するというのは、
非常に大切なことになってきます。

やはり
セントラルヒーティングの費用が発生する肝の部分は、
ボイラーですので、
ボイラーでいかに省エネを実現するかということが、
節約する上での勝負の分かれ道となるわけです。

 

⑤:家を空ける時は低温設定に

長期間、家を空ける時に迷うのが
セントラルヒーティングを切ってしまうかどうか
ということになります。

液は流し続けるにして、
ボイラーをどうするかということですが、

帰省などで家を空ける場合も、
低温設定のまま稼働させる方が良いです。

既に説明したように、
セントラルヒーティングというのは、
冷めてしまった状態から温めるというのは、
非常に効率が悪く、とても時間がかかります。

そのため、
その間は燃料も非常にかかることになりますので、
費用もそれだけ必要になってしまうのです。

それであれば、
低温設定で、少しずつ稼働しながら、
冷え切らないようにする方が
効率的な運転ということになります。

 

このように
セントラルヒーティングの基本的な使い方や節約方法としては、
こういったものがあげられます。

節約のためのポイントとしては、
ボイラーの調整をすることです。

ボイラーを適正な設定にしてあげることで、
最小限のエネルギーで最大限の暖房効果を得られるはずです。

 

まとめ

日本でも一部の地域で愛用されているセントラルヒーティングですが、
導入すればどの部屋に行っても快適だという環境を作ることが出来ます。

しかし、一方で
初期の導入費用が少し高額であったり、
定期的なメンテナンスが必要であったりと、
デメリットという部分も確かに存在しています。

熱源が一か所に集中していることや、
安全で安心に使うことが出来るなど、
数多くのメリットと比較した時に、
十分に費用を払うに値するかどうか?

この辺りをしっかりと見極めたいところではありますね。

 

 

 

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